おんだ祭り
夏。田や畑で作物は太陽に向かって成長し、
牛や馬は草原で伸び伸びと育っています。そ
んな季節に行われるのが、豊作を祈る"おんだ
祭り久御田植神幸式)。これは、苗の生育を
神々が見回るために神輿に乗っておでましに
なるというストーリーを持った、阿蘇の夏の一
大風物詩です。
青々と続く田の間を阿蘇五岳をバックに進
む祭の行列。その中でひときわ目を引くのが、
先頭を進む、宇奈利と呼ばれる白装束の14人の
女性たちです。頭上に神々の神饌(食
事)の櫃を乗せ、のどかな田歌に合わせてゆ
るりゆるりと進むその姿は、神話世界から抜
け出たようでなんとも幻想的。途中、定めら
れた神のお旅所では、神輿の上に早苗を投げ
上げ、その年の豊作を占う神事も行われま
す。この祭の頃、秋の実りに向け、人々は田畑
で精魂込めた農作業を続けるのです。
そして、秋。標高の高い阿蘇地域では、昔か
ら農作物の霜害が恐れられてきました。伝承
では、人々を霜の害から守るため、健磐龍命
が天津神七柱を祀って"火焚き"の神事を始め
たと言われています。そのいわれに基づき、農
作を祈る伝承として続いているのが、阿蘇神
社ゆかりの霜神社で行われる"火焚き神事"
です。
