阿蘇の各エリアの特徴やドライブコース、観光ポイント、宿泊宿を紹介。

阿蘇くじゅう

 見事な草原や雄大なカルデラ、火山が作り
出す景観。その価値が評価され、昭和9年、こ
の地は『阿蘇くじゅう国立公園』に指定されま
した。そして、2009年10月、"阿蘇ジオパー
ク"として、地形遺産と暮らす人々の文化を対
象とする『日本ジオパークネットワーク』に認
定。さらに、ユネスコが支援する『世界ジオ
パーク』認定の期待が高まるなど99球規模
の自然・文化財産"として、今、その価値が国内
外から注目を集めています。
 人が住み着く前の阿蘇カルデラは、森や荒
地が続き、外輪山は一面の原生林に覆われて
いたことでしょう。ですが、現在の阿蘇カルデ
ラには"千枚田"と呼ばれる豊かな水田が広が
り、外輪山には杉木立の美しいシルエットが続
きます。それらは、営々と植林を続け、農業用
水の確保や土壌の改良に励んだ人々の努力が
生んだ美景に他なりません。
 何より、阿蘇カルデラを象徴する緑波打つ美
しい草原は、いにしえから続く人々の汗と工夫
なくしては、決して生まれなかった光景です。
草原の維持は、四季を通じて人の手入れなく
しては成り立ちません。千年以上も昔から、春
の"野焼き"に始まり、家畜の放牧から秋の飼
料用の刈干切りまで、途絶えることなく行わ
れてきました。それによリ美しい草原が保た
れ、そこに暮らす全ての命の理想郷になってい
るのです。長きにわたリ人々の手で守られてき
た"千年の草原ら」そ、人間と自然の共生の望
ましい姿と言えるでしょう。もし、ひとたび人
が手を入れることを止めれば、そこは荒涼と
した太古の姿に戻ってしまいます。
 阿蘇カルデラ内に広がる豊かな草原こそ、
未来に伝えるべきかけがえのない共有財産で
はないでしょうか。
 太古の昔、九州は、瀬戸内海の延長にあた
る"阿蘇水道"によって南北2つの島に分か
れ、今日とは大きく異なる姿でした。ある時、
その水道の中央部からとてつもない規模の噴
火が起こり、半径約100?にもわたって大
量の溶岩が流れ出て、南北の島が一つにつな
がります。
 約27万年前からは、現在のカルデラ形成に
つながる阿蘇外輪山の火山活動が始まりまし
た。その噴出物は九州一円に及び、一部は、海を
越えて山口県宇部市あたりにも届いたことか
ら、その想像を絶する噴火の規模がお分かり
いただけるでしょう。
 一連の大噴火であまりに大量のマグマを噴
出し続けたことで、地下に巨大な空洞が生じ
て大陥没が起こり、広大な阿蘇カルデラが生
まれました。はじめは水をたたえた"カルデ
ラ湖"でしたが、その後、外輪山の一角に生じ
た裂け目から水がはけていき、広々とした平
原が姿を現します。